こっち向いて笑って、先輩!




「はいついたー」

そう言われて顔を上がると、3-1のプレートが見えた。

如月先輩が1組なのはもうずっと前からわかっている。先輩の教室の前にいることが嬉しくてにやけそうになる顔を必死で抑える。


「おーい。如月いるかー?」


男の人の方がそう言って教室を覗き込むと、窓側の後ろの席に溜まってる人たちがこっちを見た。


「如月〜呼ばれてる」


誰かのそんな声がすると──────。


「俺?」


そう言って、輪の中心にいたらしい人物がこっちを見た。


────バチッ


しっかりと、目が合った。


大好きな先輩は、一瞬驚いた顔をしてこちらを見ていた。


「じゃあ、私たちはこれで。頑張って」


「は、はいっ。ありがとうございました!」


先輩たちは私の肩をトンッと優しく叩くと、手を振って教室を後にした。


優しい人たちに助けられたな……よかった。


「何の用」


先輩たちの背中を見送っていると、頭の上から声がしたので慌てて体を直して上を見上げる。


っ?!


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