どんな君でも愛してる。
「ひろー、いた?まるちゃん。」
「おう。ほら。」
俺の身長で周りから見えない角度にいた真冬が、ひょっこり顔を出す。
「まるー!!」
「ちょっと心配したわよー」
「えへへ。ごめん、ごめん。」
少し照れるように頭をかいた真冬は、莉菜と千暖の元にかけよってお喋りをはじめた。
どっかりソファに腰掛ける勇信の隣に座る。
「熊…」
「なんだ」
「まると歩兄が知り合いだった…」
「そうか。」
「俺はあったことことないと思うんだけど…その…2人も知らないって言ってたんだが…」
「あの時…か。俺は知らない。でも、確かに…見たことあるような気もする。」
俺には、自分の知らない時間がある。
空白の1年間がある。
真冬はそれを知っているのだろうか。
「くまさん、ひろ!!トランプしよー!!」
急に声をかけられ、顔を上げた。
机を囲むように座っている3人は手招きをしている。
「する。」
「今行くよ」