どんな君でも愛してる。
トランプゲームをしてが終わるとおやつで盛り上がり、辺りは暗くなろうとしていた。
「じゃぁーんけんぽいっ!!」
今しているのは、かくれんぼの鬼を決めるジャンケン。
「やったー!」
「ひろ、30秒数えな!」
「まじかー…」
高校生にもなってかくれんぼをガチでするとは…
「数えるぞー」
まぁ、俺の家だし。
すぐ見つけられるはずだ。
30秒だと絶好の隠れ場所にも気づかれることもあまりないはずだし。
「あと10秒ー!」
足音もなくなり、俺はカウントダウンを大きな声でいう。
「3ー2ー1ー」
パッと目を開けると、誰もいなくなってるリビング寂しさを覚えた。
「探すぞぉー」
いつぶりだろう。
いや、ちゅうがくのときしたっけな。
ちょうど、千暖と莉菜と勇信と4人で…
とりあえずリビングを1周。
そっからキッチンに向かった。
棚を1つ1つ開けていく。
「いたっ」
「え」
莉菜の声だろ、絶対。
どこにいるんだ?
キッチンで隠れられる場所といえば、1面全部に繋がった大きい棚だけ。
大人でも入る大きさなんだが…今開けて見たんだけどな…
でも確実に声が…
「莉菜ー」
「……」
さすがにいねぇか…?
一応もう1度棚を開けていく。
どてどてトコトコ音がする。
もしかして…中を歩いて移動している?!
「みっけ」
順番通り開けていくのではなく、3つくらい飛ばして棚を開けると、莉菜がしゃがんだ状態でいた。
「一番最初とかいやだわー…」
「お前、昔もこの中入ってなかった?」
「え、本当に?」
なんとなくそうな気がするんだけど。
だとしたら、千暖とか祐信も…?
「リビング座っとけ。」
「はーい。お茶入れとくわ。」
「さんきゅ」
1階にはリビングの他にキッチンと空いてる部屋が3つある。
お客様用の寝具、服が用意された部屋の他に仏壇の置かれた部屋、それと使われてない部屋がある。
かつては、家に住み込みで働いてくれていた人に貸していた部屋らしい。
使われてない流石にホコリっぽいし、祐信はアレルギーもちだからな…
そう思いながら、使われてない部屋の扉を開いた。