私と結婚してください。
兼城って、あいつもいるってことだよね…
「希依?どうした?」
「凰成…最悪だよ…
あの私が結婚しなければならないかもしれない男と今日会うんだって…」
「は?」
「お父さんの会社と相手の親の会社が提携してて…
その付き合いで…
お母さんたちも断り続けるわけにもいかないみたいで…
はぁ…本当憂鬱…
あいつ本当に食べ方気持ち悪いし、汚いし本当無理なんだよー…」
「…ふうん。それ、何時から?」
「18時には家にいるようにって。
夕飯もここじゃ食べられないし最悪…やだなぁ」
「ってか相手の男は希依のこと気にいってんの?」
「う…それがそういうやつには好かれるんだよね…
ってかあいつ他に相手いないだろうし…って人のこと言えないけど…」
「なるほどな」
はぁ…やだなぁ…
これで結婚の話とか進まないよね?
もう秋だし…ってかなんならもうすぐ11月だし…
時間の猶予なさすぎ…
「希依」
「ん?…っ、」
凰成に呼ばれ、顔をあげたら
なぜか凰成は私にキスをした。
もう、こんなキスさえ久しぶりで
さっきまであんな憂鬱だったのに
たったこれだけのことで私の胸は高鳴る。
「今からそんな暗い顔してんな。
大丈夫だよ」
「…なにが?」
「そいつと今結婚するわけじゃないだろ。
お前は今俺の姫やってんだ。
そんなこと考えてんな」
「…でも、もしこれで縁談話が進んでも、私はここで姫やっていられるの?
恋人ができちゃだめなんでしょ?」
「だから大丈夫だ」
「だから何が"~♪~♪~♪"
えっ…まって、このチャイム…
さっきのが予鈴だったから…
「やっばい!これ本鈴だよ!
遅刻だよ!!」
「希依、走るぞ」
「う、うん!」