ヒヨと11人の王子サマ
由宇と沙弥を相手してくれたのは空閑さん、七海さん、睦月さん。
北原さんは茜に宿題を教えていたみたいで
陣さんと氷月が何やら話し込んでいた様子でした。
「結構わかりやすかった…北原さんありがとうございました。」
「いやいや、茜ちゃん凄く吸収良くて俺もびっくりしたよ。」
「陣さん今度ギター教えてください。」
「…ああ。」
こちらも仲が深まったようで。
『…あれ、七海さんほつれてますけど…直しましょうか?』
「え?…うわ、ホントだ。最悪、これ結構お気に入りなのに…」
『え、そうなんですか?…すみません、私のせいです。直します。直させてください。』
「え?あ、う、うん。」
『少し待ってくださいね。あ、脱いでください。』
「そ、それはちょっと?!」
『え?だって縫えないじゃないですか?』
「え、そうだけどさ、」
「恋さん、緋代にはそういうの通じないので脱いでも全然大丈夫です。」
『ほらほら脱いでください。』
「…なんだこの姉弟は!もう脱ぐよ!」
バッ
『じゃあしばらく待っててくださいね!』
「え、どこ行くの?」
『部屋です。部屋にあるので。それじゃあ。』
「お姉ちゃんはいつも部屋で繕ってますよ。氷月兄さんのシャツとか、私のスカートとか、由宇と沙弥のバックとかも作ってます。全く縫い目が見えないのでもはや神業ですよ。…あ、そういえば氷月兄さんの友達がグローブ縫ってくださいとか言って見事に縫ってたな…。」
「何それ凄!」
「あとこの机とかタンスとかも自分で直したりしてました。あと恋さんが座ってるその椅子も直してました。」
「え、マジで?何それ何でも出来ちゃうやつじゃん!!むしろアンティークを直せることに僕は尊敬する!」