社長、僭越ながら申し上げます!
秘書課の部屋は課長以外常駐しておらず

皆、担当のボスについて仕事をしている

社長の他にも副社長、専務、常務、取締役3名がいて
それぞれに秘書がついている

取締役には3人に2人が付くようだが
あとは大体一対一

さらに役員フロアの受付も秘書課が交代で行っているらしい

私に小声で嫌みを聞かせてくれた美女は常務付きらしく

秘書課1、いや社内1とも言われる美女で…
まるで薔薇のように華やかな美貌だ

他にも男性秘書もスマートな美形の方々で
…私はその中で挨拶すると小さくてスタイルも顔の作りも平凡で冴えないのが露呈してしまった


「皆さんも既にご存じかとは思いますが
秘書課に異動になりました眞山乃菊くんです。
社長のサポートを担当することになりましたので皆さんもフォローよろしくお願いします」


「眞山乃菊です。秘書は初めてのため至らない点もあるかと思いますがよろしくご指導ください」

冷たい視線と疎らな拍手に迎えられ
私は深々と頭を下げた


『なんで眞山が』

そんな声が聞こえないはずなのに聞こえてきた

でも…ここで怯んでも仕方ない

(社長が私を選んだんだから私は胸を張ろう)

仕事を精一杯やって
挽回していくしかないだろう

挨拶と朝礼が終わると課長から全役員のスケジュールが把握できるタブレットを渡された

「IDやパスワードの扱いには注意して。機密文書にはそれでは入れないけどスケジュールや役員の個人情報はそれで読めちゃうから…
くれぐれもメモなんて残して…他人に読み取られないようにしてください」

課長から念を押され
私はパスワードの隠しかたを思案した…

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