社長、僭越ながら申し上げます!
「カエと入籍とか言ってるから家から出たの?」
湊さんは私を抱き締めたまま耳許で囁く
「ん…だって私なんて…」
私なんかを何故湊さんみたいなイケメンで御曹司が好きだなんて言うの?
「ねぇ、乃菊、乃菊は覚えてない?オレのこと」
すごく近い場所で顔を合わされた私…
心臓がうるさい
「全然…わかりません…」
「春の雪だるまを貴女は助けたでしょ?」
「雪だるま…って、え?あれ?湊さん?」
「うん」
5年程前
就職したばかりの春先
狂ったように4月に大雪が降った
電車が止まるかもしれないし
三駅で着くのだから歩いて行こうと
…まだ暗い早朝に家を出発した
歩いて行くうちにとある公園に差し掛かった時
何故かは分からない
何か気になったので、その公園を見ると…
木の下のベンチで踞る人を見付けた
雪に埋もれて…雪だるまのようだった
(え、死んじゃう!)
慌てて雪を払って寝ている顔をパンパンと叩いた
「起きて!死んじゃいますよ!起きて!」
唇の前に頬を当てたら息はしているようだ
持っていたカイロを顔や首に当て
もう一度顔を叩きながら救急車を呼んだ
「起きて!」
「ん…ぁ…さむ」
その人はようやく起きたようで私は鞄の中から
水筒を取り出すと
中身のお湯を出して少し冷ましてから手にかけた
「暖かい…」
「うん、良かった…残りは飲んでください」
お湯を飲むと顔に少し赤みが差したように見える
腕の時計を見るともう行かなくては間に合わない時間だ
「今救急車きますから、病院行ってくださいね…それじゃあ、雪だるまさん」
サイレンの音が近づき公園で止まったのを確認して
私はマフラーを雪だるまさんの首に回すとまた歩き出した
そんな事、今まで忘れていた
雪だるまさんの顔なんて見ていなかったし…
「それから何年も君を探した…助けてくれた君に会いたくて…あちこち聞いて回ったんだ」
「え…」
「だけど君が残したのは水筒とマフラーだけ
身元は分からないし…もう会えないと思ってたんだ」
確かに水筒には名前すらも書いてなかった筈だ
「でも、中途採用の面接で君を見付けた
…運命だって、そう思ったよ」
「まさか…」
「だから君は君なんかじゃない、オレの女神なんだよ」
湊さんは私を抱き締めたまま耳許で囁く
「ん…だって私なんて…」
私なんかを何故湊さんみたいなイケメンで御曹司が好きだなんて言うの?
「ねぇ、乃菊、乃菊は覚えてない?オレのこと」
すごく近い場所で顔を合わされた私…
心臓がうるさい
「全然…わかりません…」
「春の雪だるまを貴女は助けたでしょ?」
「雪だるま…って、え?あれ?湊さん?」
「うん」
5年程前
就職したばかりの春先
狂ったように4月に大雪が降った
電車が止まるかもしれないし
三駅で着くのだから歩いて行こうと
…まだ暗い早朝に家を出発した
歩いて行くうちにとある公園に差し掛かった時
何故かは分からない
何か気になったので、その公園を見ると…
木の下のベンチで踞る人を見付けた
雪に埋もれて…雪だるまのようだった
(え、死んじゃう!)
慌てて雪を払って寝ている顔をパンパンと叩いた
「起きて!死んじゃいますよ!起きて!」
唇の前に頬を当てたら息はしているようだ
持っていたカイロを顔や首に当て
もう一度顔を叩きながら救急車を呼んだ
「起きて!」
「ん…ぁ…さむ」
その人はようやく起きたようで私は鞄の中から
水筒を取り出すと
中身のお湯を出して少し冷ましてから手にかけた
「暖かい…」
「うん、良かった…残りは飲んでください」
お湯を飲むと顔に少し赤みが差したように見える
腕の時計を見るともう行かなくては間に合わない時間だ
「今救急車きますから、病院行ってくださいね…それじゃあ、雪だるまさん」
サイレンの音が近づき公園で止まったのを確認して
私はマフラーを雪だるまさんの首に回すとまた歩き出した
そんな事、今まで忘れていた
雪だるまさんの顔なんて見ていなかったし…
「それから何年も君を探した…助けてくれた君に会いたくて…あちこち聞いて回ったんだ」
「え…」
「だけど君が残したのは水筒とマフラーだけ
身元は分からないし…もう会えないと思ってたんだ」
確かに水筒には名前すらも書いてなかった筈だ
「でも、中途採用の面接で君を見付けた
…運命だって、そう思ったよ」
「まさか…」
「だから君は君なんかじゃない、オレの女神なんだよ」