社長、僭越ながら申し上げます!
「乃菊…ここに異動になった理由に心当たりないの?…
さっきの…あんなのは口実だよ」
納得した私に社長はまた訳の分からないことを言う
「え?…全く分かりません…」
社長は頭を抱えるようにして俯いて笑う
「まったく、君って子は…まぁいいや!今日は業務は終了!夕飯に行こう?」
「ゆ、夕飯?」
「そ、お食事に参りましょうマドモアゼル」
社長はウィンクしながら立ち上がり
掛けてあったジャケットを羽織る
その美しい動作に思わず見とれてぼんやりしてしまうと
先に出ようとした社長から声をかけられた
「乃菊?行くよ?」
「は、はい」
「うわぁ、美味しいです!」
舌に乗せた味噌の味が絶妙だ
(し、幸せー!)
自分では来たこと無い、綺麗な石畳を抜けた
お座敷に通されて初めは恐縮していたが
運ばれてくる料理の美味しさにすっかり
気持ちが緩んでいた
「そりゃ良かったよ…乃菊が嬉そうに食べてくれるなら
オレも幸せだ」
「あの、社長…社長は…」
話しかけようとすると社長が私の方を向いて
小首を傾げた
「…業務外では名前で呼んでよ」
睫毛がびっちりの大きな目をキラキラさせた社長は
少年のようにも見える
「え!」
社長を社長以外で呼ぶ?
無理無理無理!
ブンブンと頭を横に振ってしまう
「あれ?名前知らない?まさか…」
グイッとテーブル越しに身体を近付けてきた社長の圧にまけて私は小声で答えた
「いえ、存じ上げています…湊さん…」
「うん。いいね…乃菊の可愛い声で湊さん…たまんないね、くー!」
社長は掌を天井に向けて小さく叫んだ
「あ、あ、あの…社、いや湊さんは何故私を乃菊と?」
「ん?可愛い名前だよね…だから呼ぶんだけど…
もちろんビジネスの場では眞山って呼ぶよ?
でも二人きりならいいじゃない」
湊さんは大きな目をまるで三日月みたいに細めた
「は、はい…」
完全に湊さんのペースにはまっているような気がする
さっきの…あんなのは口実だよ」
納得した私に社長はまた訳の分からないことを言う
「え?…全く分かりません…」
社長は頭を抱えるようにして俯いて笑う
「まったく、君って子は…まぁいいや!今日は業務は終了!夕飯に行こう?」
「ゆ、夕飯?」
「そ、お食事に参りましょうマドモアゼル」
社長はウィンクしながら立ち上がり
掛けてあったジャケットを羽織る
その美しい動作に思わず見とれてぼんやりしてしまうと
先に出ようとした社長から声をかけられた
「乃菊?行くよ?」
「は、はい」
「うわぁ、美味しいです!」
舌に乗せた味噌の味が絶妙だ
(し、幸せー!)
自分では来たこと無い、綺麗な石畳を抜けた
お座敷に通されて初めは恐縮していたが
運ばれてくる料理の美味しさにすっかり
気持ちが緩んでいた
「そりゃ良かったよ…乃菊が嬉そうに食べてくれるなら
オレも幸せだ」
「あの、社長…社長は…」
話しかけようとすると社長が私の方を向いて
小首を傾げた
「…業務外では名前で呼んでよ」
睫毛がびっちりの大きな目をキラキラさせた社長は
少年のようにも見える
「え!」
社長を社長以外で呼ぶ?
無理無理無理!
ブンブンと頭を横に振ってしまう
「あれ?名前知らない?まさか…」
グイッとテーブル越しに身体を近付けてきた社長の圧にまけて私は小声で答えた
「いえ、存じ上げています…湊さん…」
「うん。いいね…乃菊の可愛い声で湊さん…たまんないね、くー!」
社長は掌を天井に向けて小さく叫んだ
「あ、あ、あの…社、いや湊さんは何故私を乃菊と?」
「ん?可愛い名前だよね…だから呼ぶんだけど…
もちろんビジネスの場では眞山って呼ぶよ?
でも二人きりならいいじゃない」
湊さんは大きな目をまるで三日月みたいに細めた
「は、はい…」
完全に湊さんのペースにはまっているような気がする