気まぐれ猫くんの手懐け方
さっきまでのシャイニングスマイルはどこへやら。
長身の玲央くんが、上から猫くんをにらみつけている。
……にも関わらず、猫くんは全く動じずに玲央くんを見ていた。
「あとさ」
「なんだよ」
ため息交じりに猫くんは続けた。
「獅子奮迅の獅子って、『イノシシ』じゃないから」
「………!!」
猫くんは、ぷっと笑いながら玲央くんに告げる。
「そ、そういうてめえはなんか案考えてきたのかよ」
「ん?なわけ」
「はあ!?」
目をカッと開いていっそう大きな声を出す玲央くん。
「自分も考えてこねえくせに、人のこととやかく言うな!!」
「だって気が向かなくて」
うざいと言わんばかりに、猫くんは顔を逸らしてため息をついた。