気まぐれ猫くんの手懐け方

景品を手に取る。

陽愛がほしがっていたくまのぬいぐるみより何倍も小さい掌サイズのねこのぬいぐるみ。


「ん」

「…え」

それを、陽愛の掌へぽとんと落とす。


「小さいけど、それで我慢してよ」

「……っ、ありがとう」


ねこのぬいぐるみを見つめて、陽愛は嬉しそうに笑った。


「えへへ」

「え、なに、気持ち悪い」

「だって、このねこちゃん」


掌の上で、くるりとねこの顔を俺の方へ向ける。


「三毛猫♪」

「……だから?」

「猫助って呼んじゃお~!」

「っ!? バカなの!?」


ほんっと、バカ。

わかってんの?


…今、初めて俺の名前呼んだの、わかってんの?


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