気まぐれ猫くんの手懐け方

「くは…っ」

「!!!?」


そして、すぐに噴き出して笑い始めた。


「カオ、真っ赤―。なにガチな反応しちゃってんの」


そう言いながら机においてあった鞄を背負い、猫くんは歩き出す。


「じゃーね、日下部チャン」

「!!?」


この間は名前を呼んでくれてたのに。

なんで名字で呼ぶの?


「ね、ねこく…」


しかし猫くんは、そのまま教室を出て行ってしまった。


「~……っ」


ぷしゅううっと、熱すぎる顔から湯気が出てくる。

そんな頬を両手で包んで、下を向いた。


「な、なんなの……!!?」


名前を呼んだり、意地悪したり、す、すきだよとか言ってみたり………

人のこともてあそぶのも、大概にしてよ……


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