永久の誓いからの逃亡
結婚はゴールじゃない。
スタートラインに立ったんだ。

不安になって当然。
不安が一切ないなんて、そんなのは関係を深めようとしてないに等しい。

ずっと、私の不安に気づいて欲しいって思ってた。
でも言わないことにはわかってもらえない。

それに、今こうやって1人でぐるぐる考え込んで、勝手に駿くんの行動を不安がってしまうのは、ある意味で駿くんの気持ちを無視してる。

今まで白黒に見えていた世界が、ようやく色を取り戻す。

波の音ってこんなに心地良いんだ。
潮風って、こんなに爽やかに吹き抜けるんだ。

「やっぱり、駿くんと一緒にいたいな…」

「お。
気持ちぶつける気になったか?」

そう言われ、式場に戻った自分を想像してみる。
きっと、大騒ぎの中戻ることになるんだ。
私の家族も、駿くんの家族も、皆怒ってるだろう。
いなくなった理由も聞かれるだろう。

…考えただけで胃が痛い。
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