七瀬クンとの恋愛事情
「脇谷主任に今倫子さんから聞いた内容のことはさっき聴き終わりました」
「は?」
七瀬くんがパタンっと資料ファイルを閉じ、腕を椅子の背もたれに回して、並んで座っていたその真横から見下ろされるように顔を突き合わせてきた
「お見合いなんてしませんよね」
「…………」
仕事のために確保した会議室はこんな話をするためにいる訳じゃない
「倫子さんっ」
「今その話はしたくない」
話す必要がないならいつまでも会議室を占領しておくこともないと、持ってきた資料を片付けた
「……あとから、家で話すから」
なんとなく、今話しても理解してくれないような気がしてそう言って席を立った
「今日は俺ちょっと用事があるんですよ」
「え?」
その場の席から腰を浮かせた私より、遥か上から今度は見下ろすようにゆっくり立ち上がった七瀬くん
「用事って?」
改まって言われるとつい気になってしまうけど
「あ、いや………そっか」
それに、なんでうちに来る事を当たり前みたいに言っているんだ
「用事が済んだらすぐに家に行きますよ。でも遅くなるかもしれないから先に帰ってて」
「先にって………」