七瀬クンとの恋愛事情



私の頭にふわりと七瀬くんの大きな手が乗った

「大丈夫ですよ。大した用事でもないから」



顔を上げると、七瀬くんが得意気にニッコリと微笑む


首を傾げる私に今度は顔を近づけてきて

「そんな不安そうな顔しないで、おとなしく家で待ってて下さい」

と、目を細めてそう言って離れていった

うっ、そんな顔なんて?!
思わずわ顔を背けて両頬を手のひらで覆う

私が持って片付けようと思っていたファイルを何点か持ち上げると、会議室のドアに向かいながらそのままもう一度振り返る

「今日は倫子さんのオムライスが食べたいな」

「………っ」





そして定時になると同時に退社して行った七瀬くん



会社での彼のスケジュールは把握できても、アフターのプライベートまで知っている訳じゃない

………あ、もしかしたらお姉さん絡みなのかもしれない
そう言えばこの前『ハルさんの浮気が発覚したのかも』なんて話してたし

そんな事を思いながら1時間残業をした後、卵や鶏肉を買いに近所のスーパーへいそいそと足を向けた

「そうだ、ケチャップも買いたさなきゃ」

なんか、自分の単純さに呆れてしまう


< 155 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop