七瀬クンとの恋愛事情

「え………これ………?」

「この前それ、うちに忘れていったから。
ほら、あなたが飲み会の二次会に行っちゃったって言ってた日に」


ドクンっと一瞬胸の中が震えた



手渡されたのは七瀬くんのスーツの背広とネクタイ


あの日、七瀬くんは確か駅のファミレスで時間を潰してたって

「七瀬くん……は、その日あなたのとこに?」

手元のそれがなんだか生々しくて、嫌な感じがする

「ええ、2時間くらいかな、うちからあなたが帰って来たのが見えて急いで出ていったから、これ忘れてっちゃって、ふふふっ」

「……………」

2時間………背広とネクタイを脱いで
二人で、一体何をしてたってゆうの………?

眉を歪ませその背広を見つめると、小田さんはゆっくりと口角を上げ笑みを浮かべる

「背が高くて細身なのに、結構綺麗ないい身体してるよね彼。
ねぇ、今度また彼を貸してくれない?私、程よい筋肉と体力のある子って好きなのよね」

「え………っ?」

「あ、ふふふっ彼女さんに許可もらうってのもおかしいかな?」

………はぁっ?!

そう言って肩を上げる彼女を前に、
瞬間沸き立つような嫌な気分が身体中に広がって、息が出来ないほど胸が詰まる

「……それって、どうゆう意味?」




「あれ、倫子さんっ?」

遠耳に階段を駆け上がってきた足音がした後、その背の高いシルエットが3階のフロアーの踊り場へ

「と………小田さん?」

私たちを確認するような声を掛けてきた七瀬くんに、二人顔を上げた

「あ、お帰りなさいっ」
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