七瀬クンとの恋愛事情

私の目の前でさっきよりちょっと高い声を出した小田さん

まるで自分のところへ迎えたみたいに


「え、どうしたの?二人で………」


一瞬、私たち二人を見た七瀬くんが顔を引きつらせたように見えた



「……っ!」

近づいてきた彼に、私はさっき小田さんから手渡されたスーツの上着とネクタイを強く突き返した

「えっ?これ…俺の」



「どうぞ、ご勝手にっ!」


俯いた視線を小田さんだけに向けて、思いきりそう言って身体を翻す
その拍子に、持っていた晩御飯の食品を買った袋を落してしまい、カシャンっと卵のパックのにぶい音が響いた


「あ………」

小田さんと七瀬くんの視線は落とした袋に向いていたが、それを無視して玄関に入りドアを閉めようと急ぐ

「ちょっ、倫子さんっ?」

でも
さすがに彼の反射神経は速かった

ドアを閉め切る前にそれを七瀬くんに掴まれ、反対に引っ張られてしまった

「何っ?!どうゆう事、勝手にって……え」

七瀬くんに掴まれたドアを必死に抑える私

「別にっ、そっちで勝手にイチャイチャすればいいでしょっ!」

「はぁっ?何言って……って、小田さん倫子さんに何言ったの?!」

玄関のドアを引いたまま、七瀬くんが小田さんに視線を向けた

< 158 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop