七瀬クンとの恋愛事情
私の目の前でさっきよりちょっと高い声を出した小田さん
まるで自分のところへ迎えたみたいに
「え、どうしたの?二人で………」
一瞬、私たち二人を見た七瀬くんが顔を引きつらせたように見えた
「……っ!」
近づいてきた彼に、私はさっき小田さんから手渡されたスーツの上着とネクタイを強く突き返した
「えっ?これ…俺の」
「どうぞ、ご勝手にっ!」
俯いた視線を小田さんだけに向けて、思いきりそう言って身体を翻す
その拍子に、持っていた晩御飯の食品を買った袋を落してしまい、カシャンっと卵のパックのにぶい音が響いた
「あ………」
小田さんと七瀬くんの視線は落とした袋に向いていたが、それを無視して玄関に入りドアを閉めようと急ぐ
「ちょっ、倫子さんっ?」
でも
さすがに彼の反射神経は速かった
ドアを閉め切る前にそれを七瀬くんに掴まれ、反対に引っ張られてしまった
「何っ?!どうゆう事、勝手にって……え」
七瀬くんに掴まれたドアを必死に抑える私
「別にっ、そっちで勝手にイチャイチャすればいいでしょっ!」
「はぁっ?何言って……って、小田さん倫子さんに何言ったの?!」
玄関のドアを引いたまま、七瀬くんが小田さんに視線を向けた