七瀬クンとの恋愛事情
このまま部屋の前で睨みあっていても埒があかない
「聞いてよ倫子さん、俺全部言い訳出来るから」
「…………」
結局二人を私の部屋に招き入れ、リビングのローテーブルを挟んで座ってもらった
とは言え、
なんだか落ち着かなくて、とりあえずお茶入れようとすると七瀬くんに「いいから座って倫子さん」と促された
「………漫画家?」
まず意外なのは、小田麗子本名で彼女は隣の部屋で漫画を描いているとの事だった
「隣は仕事部屋って言うか、作業場として使っているだけだから自宅は別なのよ」
もちろんベッドや日用品もあるけど、あくまで漫画を描くための部屋だと彼女は言った
そんな仕事の部屋でっ……?!
眉をしかめる私が大体何を想像しているか分かっている七瀬くんが、小さく溜め息をついた
「実は前に倫子さんより先にここに着く途中のコンビニで小田さんとあった時、倫子さんちの貼り紙の事を聞かれた事があって」
確かに、隣の玄関ドアに時々貼られる怪しい貼り紙に疑問を持たない訳はない
そして、その貼り紙を貼る豊田さんの姿を彼女は目撃済みだった
その事を、偶然コンビニで会った私と一緒に隣に出入りする七瀬くんへ伝えると、
小田さんは七瀬くんから貼り紙ストーカーの事情を聞いたうえで、撃退協力をかってでてくれたらしい
「決定的な動画に何枚かの写メ、証拠の貼り紙とそれに残留品」
「残留品?」
「持ってこようか?愁士くんはあなたが怖がるからって、あのストーカーが貼ったり置いていったものを一時的に私が預かってるんだけど」
えっ?!
話を聞いて七瀬くんを見上げると、持っていた通勤鞄から何枚かの赤字の張り紙と、1枚の封筒を取り出して私に