七瀬クンとの恋愛事情
どうせ何も聞けないのなら、もう
その時の事は思い出さないって決めてるのに




キィー………



「え、わっ!!」

ゆっくりと扉が小さく開いたと思うと、腕を強く掴まれ

そのまま、また倉庫に引き釣りこまれた


バタンッ


「……………っ」

見渡せばファイルが散らばった床に、さっきの物が落ちる音で何があったのかと、私は眉をひそめた


「暗い中で背中を棚にぶつけて………」

「大丈夫っ!?」

奥の電気まで付けると、倉庫前の廊下側から誰か人の声がして

とりあえず手を引いて出入り口から見えない奥へ移動した


「ちょっと頭打った…」

その場で棚を背にして腰を下ろして座った七瀬くんに合わせて膝をつき、押さえている頭に傷がないか髪を搔きあげてみた

傷はないみたいだ、落ちていたファイルに硬いものは無かったし


「ビッグリしたけど大丈夫、大丈夫」


「ごめんね、締め出しちゃって………」

考えてみれば、七瀬くんと一緒に倉庫から出て来たって何の問題も無かったのに

いたのが古坂さんだったから、つい………


「倫子さん」

膝をついて頭に当てた私の手をそのままに、
七瀬くんの腕がスッと腰に回り引き寄せられ

傾いた彼の頭が私の胸の中にスッポリ収った
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