七瀬クンとの恋愛事情
氷の入った水を一旦飲みながら、息をついた古坂さん
「………まさか松原主任だったとはねぇ」
彼女は無表情のまま、ゆっくりと視線だけ私に向けた
「え………」
「見たんですよ、私」
昨日倉庫の前で出くわした後、また倉庫に戻って行った私を何気なく不思議に思い、
そっと倉庫に入り私たちを目撃したらしい
「私の前で平然と……ハハッすっかり騙されてましたよ」
ば、バレた?!
「あのねっ古坂さん………」
「でもおかしいですね、松原主任って高科課長と付き合ってるんじゃないんですか?
それって結婚相手をキープしながらちょっとしたスリルで遊び相手とも仲良くしてるってやつ?」
目を細め、まるで軽蔑するような眼差しを向けてきた
「ち、違うのっ、そうじゃなくてね……」
咄嗟の事で、どう話したらいいのか
「何が違うって言うんですか? 面白かったでしょうね、自分の付き合ってる内緒の彼氏に何も知らずに勝手に想いを寄せて相談してくる女なんて、さぞ滑稽で」
「そんな事………」
途中、店員が注文したパンケーキを持って来たところで一旦話がとまり、さっきとは違って
今度は「美味しそうですね」と微笑む古坂さん
「古坂さん………」
目の前にあるシフォンケーキをフォークで口に運ぶ彼女に対して
お腹が空いてた筈なのに、全くノドを通らない
「私、
七瀬が入社したときから好きだったんです。
たぶん七瀬も分かってたんだと思います。周りからバレバレでしたから、ずっと」
………それは、私も分かってた
実際お似合いだな、とも思ってたし