七瀬クンとの恋愛事情
「私は七瀬だけなんです。主任は高科課長でいいじゃないですか?」
今の状況じゃあ、他から見れば二股かけてると思われても仕方ない
「古坂さん私、高科課長とはただお見合いを阻止するためのカモフラージュでね……」
「はぁっ?
別にそんな事はどうでもいいんです」
トーンを上げた彼女の声に、ビクッと背中に電気が走るような感覚がして、思わず肩を上げた
「取り敢えず七瀬と別れて下さい、早急に。
でなきゃこの写メ、社内メールで一斉送信しますから」
そう言って彼女は、私の前に携帯画面を差し出してきた
「え? これ………っ!」
見た瞬間眉を歪ませ恥ずかしさで頭がカッと湧き上がった
「そうしたら大変な事になりますよ、きっと」
彼女の軽蔑して蔑むような表情に、
今度は一瞬ゾクっと背筋に寒気が走る
その携帯の写メに写った私と七瀬くんは、
二人で倉庫にいた時の………
キス写真だった
棚に凭れたまま床に座る七瀬くんの前で膝をついて首に腕を回した私だ
こうして別の角度から客観的に見ると恥ずかしいどころじゃない
「ちょっと待って、これ古坂さんが……?」
見せられた彼女の携帯へ咄嗟に手を伸ばすと、それをスッと引かれた
「よく撮れてるでしょ? これ、見た目完全にセクハラですよね松原主任」