七瀬クンとの恋愛事情
今は冷静でいるつもりでいたが、感情的には課長を睨みつける
暫く睨み合っていると、目の前ではぁっと課長が大きな溜め息きをついて、
ホットコーナーにある長椅子に腰をおろした
ゆっくり目の前に立つ俺を見上げ、口を開いた
「七瀬、お前さぁー【ふぇると】のカナちゃんとはちゃんと決着ついてるのか?」
「はぁっ?今そんなことかんけ………」
「ちゃんと別れたのかって聞いてるんだっ」
何を今更こんな話を持ち出してくるのか知らないが、「別れたのか」と言われても
実際あの子のSNSで勝手に彼氏にされただけで付き合ってない
「………決着はついてます」
「あの子が【ふぇると】をクビになったのはそれが原因なのか?」
「は……クビ? 話が見えないんですけど…」
ネットでの迷惑な状況を店長に訴えたのは確かだが、それであの子がクビになったのなら自業自得だろう
座ったままジッと俺を見上げる課長
「この間、そのカナちゃんに突き飛ばされたんだよ、倫ちゃん」
「えっ!?」
「あの大雨の中、いきなりだったから派手に転んで、そのまま罵倒されて………」
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!なんで倫子さんがっ」
意味がわからない、クビになった逆恨みなら俺にするだろ普通
「知るかっ、そんな事……とにかく、
あっちは完全に倫ちゃんを標的にしてたし、倫ちゃんも今回は七瀬は関係ないとか言って」
「………かんけい、ない?」
少し混乱していて考え込んでいる俺の前で、課長が長椅子から立ち上がると
俺に手を伸ばし、力のかぎり胸ぐらを掴んできた