七瀬クンとの恋愛事情
「お前は一体、何してるんだ?
大方あの後、俺との仲を疑ってさらに倫ちゃんをおいつめたんだろ」
「…………くっ」
締め上げられるその手に殺意さえ感じる
その状態で苦しさに顔を歪めたが、振り解くことが出来ない
「…………っ」
ゆっくりと手が解かれ、反動で後退した俺に
高科課長は盛大に溜め息をついた
「あんなズブ濡れ状態じゃあ電車もタクシーにも乗れないからうちで洗濯するように連れ込んで、その間にシャワーを浴びさせて、乾燥が終わるまで俺の服を着せて待ってただけだ」
「……………っ」
あの状況で二人を見た俺の、完全なる勘違いだった
それどころか俺のせいでそんな事になったのに
俺は倫子さんに何を言った………?
項垂れた俺の肩に課長の手が乗ると、それをグッと力のかぎり掴まれ、顔を近づけた課長が微妙に口角を上げた
「倫ちゃんはたぶん、お前に説明したって信じてくれないとか思ったんだろうな。
まぁ、何もなかったとは言わない、俺だってあの子に惚れてんだ。ちゃんと気持ちだって伝えてあるし、この先だって引くつもりはない」
「………なっ」
そのまま俺を通り過ぎて営業部へ戻っていく高科課長を見送った
その背中を見ながらどうしようもない不安とイライラを抑え込んで、思い切り頭を振った
俺は、あの時何をした?
ただ勝手に嫉妬にかられて何も聞こうとしなかった
しかも全然信用されてない今の現状に子供みたいに駄々をこねているだけとか
額から冷たい汗が伝うような思いで頭を抱えた
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