七瀬クンとの恋愛事情
「待って古坂さんっ!」
「放してください、私これから七瀬と…」
このままじゃあずっと埒が開かないと思い、トイレから出ようとする古坂さんをなんとか制止して話したかった
「古坂…?」
トイレの出口前まで追いかけて、もみ合う私たちの前に
彼女を迎えにきた七瀬くんと出くわした
「………っ」
「七瀬っ」
瞬間、私を振り解いた古坂さんが七瀬くんに助けを求めるように縋りついた
「古坂、どうした?………主任?」
「七瀬くん…」
一度私に向けた視線を、腕にすがりつく古坂さんに移した七瀬くん
今日は日中出先との打ち合わせがあったため、しっかりとしたスーツ姿が背の高さを際立たせていて普段より様になっている
そんな七瀬くん越しに、顔を私に向けて口角をゆっくり上げる古坂さん
「七瀬、今日ウチに泊まるんです。だからお先に失礼します、松原主任」
「待って古坂さんっ、さっきの話がまだ…」
手を伸ばした私を遮るように七瀬くんが彼女の背中に手を回した
「お先に失礼します、松原主任」
私を見下ろす彼の目に一瞬冷たいものを感じた
ペコリと軽く一礼して、すぐに古坂さんへと視線を戻して笑顔を見せ、並んだまま二人店を出て行った
「…………っ」