七瀬クンとの恋愛事情
「ねぇ、キスして…」
部屋に入るなり、ネクタイを引かれ首に腕が巻きついてくると、唇がかさなった
「……っ…」
彼女の背中に軽く手を回し、合間に少し息をついて角度を変えて
俺から口を塞ぐ
「…ん、七瀬ぇ…」
もう一度せがむように求められると、顔を逸らした
「悪い、トイレ貸して、それに俺コーヒー飲みたい」
そのままさっき回した手を肩に、軽く押して距離をとった
暫くすると、コーヒーメーカーから香りが広がった
この部屋は、1LDKの極一般的な20代独身女子の部屋だ
少し趣味らしきフラワーアレンジの飾り物や、部屋全体の小物が女性らしい色合いにまとまっている
古坂らしい部屋だなと思った
生活感があるのに、常に整理整頓されててシンプルなあの人の部屋とはまた違うもんだな
「そういえばさっきの宴会で撮った写真さぁ」
コーヒーの用意をしながらキッチンに立つ古坂を横目に、携帯を開きながら
「送ろうか?」
何枚か撮った写真には二人のツーショットも入っている
「うん、欲しい欲しいっ」
俺から何枚かの写真を送信すると、テーブルにある古坂の携帯に着信がついた
それを見ながらスマホを操作する古坂
「なぁ、コーヒーまだ?」
「あ、ごめん。ちょっと待って」
そのままコーヒーの用意に戻った
「あー余計な写真まで送っちまったわ…橋下さんの連写写真っている?」
「えーーっ、いらなーい」