七瀬クンとの恋愛事情
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あの時に私が出した返答は、
「高科課長、改めて私と付き合って下さい。
できれば今回の水嶋建設の案件が落ち着くまで」
そう言った私の前で課長は盛大な溜め息をついた
「この前の電話で俺は振られたのに、付き合ってる振りだけはまだ通したいって事?」
あの熱の中、電話をくれた課長にずっと泣きながら謝っていた私を慰めて理解してくれたのに
「………すみません。都合のいい事言ってるのは分かってます」
水嶋建設の仕事が、本格的に起動するようになるにはもう少しかかる。
それまでは穏便にこの嘘を通さなければならない
今度は私から食事を奢らせてほしいと退社後に誘った和食屋の個室の畳に頭を着くまで、深々と下げた
「結局七瀬とは?」
そう切り出されると、一瞬ズキンッと心臓が痛んだ
「七瀬くんとも……もともと流れみたいなものだったので、関係を解消したカタチに」
「解消? 別れたのか?」
「はい」
大丈夫なのに、誤魔化すように笑って見せると、眉をひそめた課長
呆れたように肩を上げ、頭を掻いた
「…わかったよ。要は俺がこれからも倫ちゃんを暫く独り占めできる訳だな」
いつものスキンシップより甘く優しい笑顔を向けられると、少し戸惑ってしまう
「…………っ」
「倫ちゃんはそのままでいい。伊達にずっと見てきた訳じゃないから、わかってる……ただな」
「課長?」
「昔みたいに、また一人で泣いたりしなくていいからな、頼って欲しいんだ。倫ちゃんにはそうゆうとこがあるから」