七瀬クンとの恋愛事情

「「……っ!」」



「誰か探してるの?」


七瀬くんと潜んでいるドリンクコーナーが死角になっているホールから人の声がする


………藤間っちって、まさか


「違うの…実はどうしたらいいのかと思って」


「「!!!」」


やっぱり藤間さんの声だっ
わざわさ避けるために隠れていたのに、まさかもうここに居ることがバレたのか?!


たぶん普段一緒にいる同期のお友達を相手に話しているんだろう
なんだかちょっと不安そうな声だ


「そういえば今日は七瀬さんを誘うんだって言ってなかった?」


「「っ?!」」


「そうなんだけど…いやそれが問題で、だから考えれば考えるほど辻褄が合うって言うか、でもっだからどうしよう……っ」


「「?」」


「落ち着いてっ、一体どうしたの?そんなに動揺して何かあったの?
あ、まさか七瀬さんに何かされたとかっ?!」


そのお友達の言葉に思わずお互い顔を見合わせると、イヤイヤ知らないと焦って顔を振る七瀬くん


「違うの、そうじゃなくて問題は七瀬さんと古坂さんの別れた理由なのっ」

「全然話が見えないんだけど…?それって終わったことなんだから関係ないって七瀬さんに告りに行ったんじゃなかったの?」


話が長くなりそうで藤間さん達は、私達の姿は見えないがパーティションを間に背中を合わせた反対側の長椅子に腰を下ろした

コソコソ話す彼女達の話もしっかり聞こえてくる
口を押さえ聞き耳を立てる


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