七瀬クンとの恋愛事情

「廻ってきた会社の要望書です」

切り返すように目の前に書類を渡してきた


「え、あ、はい………?」

あまりの話の引きに三輪さんも呆然となっていた

「あ、いやこれ、とりあえず山下くんに報告上げて、私はちょっと執務室に用事があって」


我に返って、いそいそとファイルを持ってその場を離れようとした

「や、山下くんっ、七瀬くんの報告で不要な点があったら私に書面報告しておいてっ」


不自然に反らせた視線を三輪さんに向けて
「ほら、くだらない話ないで仕事して」と、彼女の肩を叩きながらその場をなんとか離れた


ダメた、不意打ちで来られると対処出来ないで逃げ出してしまった


ってか、三輪さんのが勝ってるってなに?!
抱いた30女はやっぱり20代とは違うって事なのか?!



「ああ、もう無理………心臓が痛い」



その後もなんとか七瀬くんとの接触を避けた


「主任、お昼出ませんか?お蕎麦にしようってみんなで」

ランチの誘いにきた古坂さんに、とりあえずお弁当はつくってきたが、自分で作った質素な内容に『まあ、お弁当は置いといてお蕎麦もいいかな』っと、足をそちらに向けたところで、
一緒に行く5人くらいの先にいるメンバーを見て足を止めた

「あ、いいやお弁当あるし」

そう言って、手を振って行きかけた足を戻した

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