七瀬クンとの恋愛事情

今のはちょっとあらか様だったたろうか

一回行きかけたその瞬間に、先のグループにいる七瀬くんと目が合って、身体を引き戻してしまった




「あー………まともに集中できない」

今さらながら、
なぜあそこで彼を引き止め招きいれるなんて
行動が出来てしまったのだろうか?


頭の中で何か化学分解が起きたに違いない

したがって、その後のあんなことや、そんなことのふにゃふにゃぁっとした感覚や感触は……

ああアアァ………!!
いや、違うっ!思い出すな私 ますます仕事が手につかなくなってしまうっ


コピー室のコピー機の前で邪心に悶絶しながら
溜め息なんてついて、今日は残業確実だと改めて思う就業時間間近のそんな時の、

不意の一瞬だった



そのコピー機との間に挟まれるように、両側から長い腕が伸び後ろからコピー機に手を着かれて、私に覆い被さった人物が

「………え」


「なにやってんですか?」

さすが186㎝の身長で、私なんかはすっぽり覆い被され、そっと耳元に低音の声て囁かれた

「ひっ、」

まさに今日一日避け続けた本人からの密着に、またあの金属音が聞こえるくらい身体が固まった


「今日ずっと俺の事、無視してました?」


「………….っ」

< 82 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop