ヒミツにふれて、ふれさせて。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
ただ、唇のすぐ横に、熱くて柔らかいものが当たった。ただそれだけの感覚で。
ぼーっと、何が起こったのかを考えているうちに、珠理が顔を斜めに倒したまま、わたしから少しずつ離れていった。
「…っ」
その時に、かすかにかかる、熱い息。
冷たくなった頰に触れて、火傷しそうと思ったほど。
「…次、そんな可愛いことしたら、今度こそくちにするから」
「〜〜〜〜っ!?!?」
スッと離れていくその体温。
冷たい空気が再び頰をなぞっていったかと思うと、目の前には舌を出して笑っている珠理がいた。
…っ、ていうか…。
今、わたし、くちの横にキス…され…。
「近海の部屋じゃなかったら、フツウにくちにしてたからね。危なかったわね、めご」
「〜〜っ!!!!」
足先から、頭のてっぺんまで、再び熱が電気のように走っていくのが分かった。
ボッと身体が熱くなって、手や足には、力が入らなくなっていく。
「…っ、珠理!!!!!!」
「なぁに〜。可愛い顔して煽るアンタが悪いんでしょ?さ、お鍋食べに行くわよ〜!」
「ちょっと!!!待って!!!」
唇の横には、たしかに残ってしまった、珠理の熱。
いつまでも残るその熱さに、わたしはいつまでもいつまでも、侵されていた。