副社長のいきなり求婚宣言!?
本当に、雇われていたんだ……
この会社にいるなら、もしかしたら、姿を見ることくらいあるかもしれないと覚悟はしていたけど、こうやって面と向かって会うことなんて予想してなかったから、掛ける言葉もどんな顔をすればいいのかもわからない。
足がすくんで動けない私の肩に掛かる大きなトートバッグに、ちらと亮介さんの目線が留まった。
「へえ、よかったじゃねーか。こんな大企業様でお仕事させてもらえて」
わざとらしい言い方をしながら私と入れ替わりに自販機に向かう亮介さんに、身体がぎゅっと怯える。
明るい声を出しているのに、その言葉には鋭利なトゲがめいっぱい張り巡らされているようだ。
「あんな小せーとこでやり続けるより、やっぱり大企業様でお仕事した方が金になるもんなー?」
昔から使っているこのバッグを知っている亮介さんは、私がこの会社でまだ画を描いていると思ったんだ。
肩から抱えるバッグの中身が、酷く罪深いもののように感じてしまって、無意識に亮介さんから守ろうと手に力が入る。
この会社にいるなら、もしかしたら、姿を見ることくらいあるかもしれないと覚悟はしていたけど、こうやって面と向かって会うことなんて予想してなかったから、掛ける言葉もどんな顔をすればいいのかもわからない。
足がすくんで動けない私の肩に掛かる大きなトートバッグに、ちらと亮介さんの目線が留まった。
「へえ、よかったじゃねーか。こんな大企業様でお仕事させてもらえて」
わざとらしい言い方をしながら私と入れ替わりに自販機に向かう亮介さんに、身体がぎゅっと怯える。
明るい声を出しているのに、その言葉には鋭利なトゲがめいっぱい張り巡らされているようだ。
「あんな小せーとこでやり続けるより、やっぱり大企業様でお仕事した方が金になるもんなー?」
昔から使っているこのバッグを知っている亮介さんは、私がこの会社でまだ画を描いていると思ったんだ。
肩から抱えるバッグの中身が、酷く罪深いもののように感じてしまって、無意識に亮介さんから守ろうと手に力が入る。