ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「葵……」
まるで祈りを捧げるように葵を名を呼ぶ蒼佑に、葵はなんとも不思議な気持ちになる。
(私……いったいどうしたらいいんだろう……)
流されたと言い訳するつもりはない。
確かに蒼佑は強引だったが、受け入れたのは自分だ。
今の自分を見てほしいと言われて、目の前の、必死に迫って来る蒼佑を、受け入れてしまった。
だが、彼が思ってくれるほど、自分はまだ覚悟ができてない。
昔のように、思いに思いを返せない。堂々と胸を張って、好きだとは言えない。
複雑な感情が葵の胸の中に渦巻いていた。
「――少し、時間をくれる?」
葵なりにいろいろ考えて出した返事は、それだった。
「ああ」
それを聞いて、蒼佑はうなずく。
「君はゆっくりでいい……」
繊細な手つきで、蒼佑は葵の頬を撫でて、それからさらさらと髪を指で梳くと、人房髪をとり、口づけた。
「その間、俺は君に信じてもらえるよう努力する」
「努力?」