ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
葵が首をかしげると、蒼佑は色気をにじませた目で、熱っぽく見つめてくる。
「君を好きだと言ったり。触れたり、抱きしめたり」
「それって……今までとどう違うの」
「なにも違わないな」
葵の素朴な疑問に、蒼佑はクスッと笑った。
そして葵のあご先を、指ですくうように持ち上げると、頬を傾けて顔を近づける。
「好きだと言うのも、キスも、俺がしたいことばかりだ……葵」
キスの気配に、葵はまた戸惑いながらも、目を伏せかけていたのだが。
「あ」
突然、その場の雰囲気をぶち壊すような、あっけらかんとした声がキッチンに響く。
(え……?)
その声に、葵はハッとして。そしてまさかと思いながら、ギクシャクしながら声のしたほうを振り返る。
蒼佑も同じだ。
顔を離して葵と同じ方向に顔を向けた。
夢であってほしいと思う葵だが、現実はシビアだった。