ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「あー、はいはい。いいって、そういうの。ふたりの仲のことでしょ」
ナツメは軽く首を振って、それから葵の背後で、立ってコーヒーを飲んでいる蒼佑を見あげた。
頬を緩ませ、ニヤニヤがおさまらないようだ。
なにを言うわけでもなく、
「いやいや、うんうん……」
とひとりで納得している。
間違いなく、いろんなことを勝手に妄想して結論付けている。
そんなナツメを見て、蒼佑もちょっとまずいと思ったのか、
「ナツメくん。俺が一方的に、彼女に迫っているだけだから」
という、若干苦しいフォローを入れたのだが、無駄だった。
「まぁ、そういうことにしておいてあげますよ」
ナツメはあっさりとそれを受け流して、葵に微笑みかける。
「よかったね、葵ちゃん」
「いや……うん……」
これはもう、どうしようもなさそうだ。
(なるようになれ、だわ……)
とりあえずこの場では、葵は苦笑するしか、とるべき方法が見つからなかった。