ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
葵は目をぱちぱちさせながら、蒼佑を見あげた。
「で、でもなんで私が?」
ナツメは確かにSNSをよく使っているが、葵の存在をほのめかしたことは一度もない。もちろん写真だって一枚も載せていないはずだ。一緒にいるところを見られたわけでもないのに、なぜピンポイントで、自分がナツメの関係者だとわかり、そして狙われたのか、まったくわからなかった。
「君は、洋服にゲストパスのステッカーを貼りっぱなしだった。覚えてる? そのせいで、見つけられたらしい」
「あ……」
言われて、葵は衝撃を受けた。確かにステッカーには、NASTUと書いてあった。
「取るの……忘れてた……」
ということは、ナツメのことを恨んでいる人物がいる会場で、自らNASTUの関係者だと触れ回っていたということになる。
(私の馬鹿……)
葵は目を閉じて、じぶんのうっかりミスを死ぬほど反省するしかない。
「本人はたまたまぶつかっただけだと、故意であることを否定していたけど、荷物の中にはナツメくんの記事を集めたファイルがあった。どうも、ナツメくんに相手にされないものだから、思いが高じて逆に憎むようになったようだ」