ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

「相手にって……もしかして知り合いなの?」
「いや、まったく。ナツメくんとリアルでやり取りをしたことは一度もない。あくまでもSNS上の関係だ。たとえば、自分は返事をもらえないのにほかの人は貰ったとか、そんなことの積み重ねで、ナツメくんを憎むようになったんじゃないかと……」
「……」

 葵はそれを聞いて、絶句するしかない。
 自分にはまったく理解できない感情だった。

「そして、会場で見かけた君のことを、ナツメくんの特別な女性だと勘違いして、攻撃したんだろう。SNSで自分だけ排除されていると思いこむこと自体、勘違いも甚だしいが……そういう思い込みは、どうしようもない。本人にはそれが真実なんだから」

 そして蒼佑は、葵の顔を覗き込み、そっと手のひらを頬に乗せた。

「ナツメくんに届いていた誹謗中傷や脅迫状と同一犯かどうかはっきりするまで、時間がかかる。だからナツメ君は、念のためマネージャーさんの住まいに、一時避難することになった」

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