ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

「……大内さんのところ?」

 大内には妻子がいる。ナツメも何度か遊びに行っているくらいなので、滞在するのに問題はなさそうだ。

「そう。で、君は俺のところに来る」
「え……? 来るって、で、でも……」

 一緒に住むと言われて、はいそうですねと即答は難しい。

「ホ、ホテルとか……自分で……」
「ホテルのセキュリティなんて、ガバガバじゃないか」
「それは、そうだけど」

 蒼佑が普段使うようなホテルならまだしも、確かに自分がお金を払える範囲のビジネスホテルに過剰はセキュリティを期待するのは難しそうだ。

「――頼むから、俺の言うことを聞いて。じゃないと俺は、自分で自分が許せなくなる」

 そして蒼佑は、ゆっくりと息を吐きながら目を閉じ、葵の額にこつんと、自分の額を押し付けた。

「一緒に行けばよかったと、死ぬほど後悔した」
「あ……」

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