ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
ぺこっと頭を下げると、蒼佑はホッとしたように胸を撫でおろす。
「よかった。嫌われるかと思った」
「えっ、それは今さらじゃない?」
葵はちょっぴり意地悪気分でそう口にしたのだが、蒼佑は首を振る。
「いや、全然違う。再会した初日と今じゃ、天と地ほどの差がある。ここでまた後退すると、さすがに挽回が難しい」
真面目にそう答えると、そのままじっと、葵を見詰めた。
「そう思うのは、俺の勘違い?」
蒼佑の目は真剣だった。
そうなると、根がまじめな葵は、嘘がつけなくなる。
だが葵には、その目をまっすぐ見返すほどの勇気はない。うつむきながら答える。
「確かに、天と地ほどの、差は、あるかも……」
葵のその返事を聞いて、蒼佑は甘く瞳をきらめかせながら、葵の上半身を、抱きしめた。
「よかった。その言葉だけで、俺はむくわれた気分になる。また明日も、頑張れる」
いったいなにを頑張るのかと思ったが、葵は彼に抱きしめられたまま、無言で唇を噛みしめることしか、できなかった。