ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

(私は、いったいどうしたいんだろう……)

 そう思ったのは、夜、ひとりでベッドに横になってからの事だった。
 入浴はさすがにひとりでやった。蒼佑は残念そうだったが、ただの軽いねん挫で介護は必要ないと繰り返し、なんとか事なきを得た。
 とはいえ、その後、蒼佑が淹れてくれたアイスティーを飲みながら、髪を乾かしてもらい、ベッドまで運んでもらって、「寝付くまで見てる」と言い張る蒼佑を部屋から追い出すまでは、大変だった。

(ちょっと私の事、構いすぎよね……怪我した子猫みたいに思っていそう)

 葵はそんなことを考えながら、ふっと思い出し笑いをし、首だけ動かしてドアを見つめる。

 葵が眠る客間には、続き部屋がある。内側のドアを一枚開けた隣には、蒼佑が眠っているはずだ。

 ついさっき、ナツメから【おやすみ、よかったね】とメッセージが返ってきた。
 その前に、葵は枕もとに置いていたスマホから、ナツメに「おやすみ。今日は楽しく過ごせました」とメッセージを送っているのだ。

 そう、楽しかった。
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