ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 最大限の賛美を向けられた上に、勘違いをするなと真面目な顔で言われて、それこそなにかの冗談かと思ったが、きっと本気なのだろう。自分の気持ちに気が付いた今、蒼佑のその言葉は、妙に照れ臭い。
 葵は必死に平静を保とうと、唇を引き結んだ。

「だったら、あんまり過保護に扱わないと約束してくれる?」
「うーん……努力する……頑張ってみる……」

 その声はあまりにも弱弱しく、不安をあおる口調だった。
 しかしそんなことを頑張る必要があるのだろうか。いや、絶対にない。
 そう思うとおかしくなった。

「あんまり頑張れなさそうな声だけど……ふふっ……」

 たまらず葵が噴き出すと、蒼佑も目を細めて葵の顔を覗き込んできた。

「笑った顔、たまらなくかわいいな……」

 それは思わず口をついて出てきたような、さらりとした言葉で。意図せず出来たに違いない蒼佑の言葉は、ぐさりと葵に刺さってしまった。

(今、かわいいって、私に言った……!?)

 どんどん、顔に熱が集まってくるのが、わかった。

「あれ。葵……顔が、赤い?」
< 210 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop