ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
蒼佑も葵の動揺に気が付いたらしく、さらに顔を見ようと覗き込んでくる。
「ちょっと見せて」
「い、いやよ、なんで……」
葵はむくれながら、顔を逸らそうとするのだが、蒼佑は葵がいつも根負けするレベルでしつこい男だ。
「いや、なんで照れるんだ。そこを知りたい」
「もうっ……そこはさらっと流してったらっ……」
葵は蒼佑の胸をグーッと押し返して、その場から逃げようとしたのだが。蒼佑の背後から、モクモクと煙が上がっていることに気が付いて、叫んでいた。
「焦げてる!」
「そうだった!」
蒼佑は慌ててコンロへと駆け寄り、フライパンを持ち上げつつ、換気扇を強にした。そしてがっくりと肩を落とす。
「ごめん……目玉焼きとベーコンが……」
「あ、はははは! 真っ黒!」
思わず大爆笑していた。だって、彼が手にしたフライパンの上には、どう見ても消し炭しか載っていないのだから。