ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
どうしたのかと顔を上げると、蒼佑の眉がかすかに下がっている。
「君は昔から……そういう……」
「え?」
昔から、なんなのだ。
葵が首をかしげると、「いや、いい。もうお互い大人だ……しかも俺はこんなだってバレてるんだから、我慢も遠慮もする必要はない」と、一方的に納得したように蒼佑はうなずく。
そして葵を両腕で包み込むようにして抱きしめると、耳元で囁いた。
「君に不埒なことをしないと誓った例の約束を、反故にしてもいいだろうか」
「……っ?」
葵はその言葉に、息を飲む。
そうだった。温泉に行く前に、そんな約束をしたのだ。
彼の屋敷に滞在している間、寝室は別だった。
それであまり意識していなかったのだが、今日は同じ部屋である。
そしてここで葵が彼に思いを告げたことで、そんな約束はあまり意味をなさない状況になった。
(ど、ど、どうしよう……!)
どうしようもこうしようも、嫌だという理由はないのだが、葵は突然のことに、完全にテンパってしまっていた。