ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 だからこのまま、彼から受け取るばかりでは、いけない。ただ盲目的に恋をしているだけでは、昔と同じだ。
 ナツメだって、言っていたではないか。
『自分の存在が誰かを幸せにしてるんだってこと、認めてもいいと思うよ』と。

 間違いなく、蒼佑はそう思ってくれている。
 葵が自分のことをなかなか好きになれなくても、そんな自分を、丸ごと受け入れてくれる。
 自分が彼を幸せにしていると信じていい。

 そうやって自分にも価値があるのだと認めると、泣きたくなるくらい、幸せな気持ちになった。

「あのね……」

 葵は声を振り絞って、蒼佑を見つめる。

「あなたが思う、不埒なこと……私だって、してみたい」

 そしてぎゅっと、蒼佑の背中に腕を回し、抱きしめる。
 
「だから、側にいるだけでいいなんて、言わないで……。私だって、あなたをこれからもっと幸せにしたいんだから」

 形を変えて生まれ変わった葵の恋心は、まっすぐに蒼佑に届けられる。

 この瞬間、ようやく葵も、過去の自分の呪縛から、解き放たれた気がした。
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