ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
案の定、蒼佑は葵の言葉を聞いて、「まさか」と、喉を鳴らすようにククッと笑って、グラスを持ち上げた。
「わかった、飲むよ。ただ、俺が、万が一にも酔いたくないだけで、葵ひとりを酔わそうとしているわけじゃない」
「万が一って?」
葵は瓶を両手に持って、グラスに注ぎながら問いかける。
「全部、覚えておきたいから」
「なにを?」
「たとえば、俺が君を裸にしたら、どんな反応するんだろうとか。君の些細な表情の変化を、全部覚えておくために、思考をアルコールで鈍らせたくないなと思って」
「なっ……!?」
ビックリした葵は、体を震わせる。その瞬間、葵の手が滑り、ビール瓶の注ぎ口が、テーブルへとずれる。当然、残っていたビールがテーブルの上を濡らしてしまった。グラスの半分くらいで、大した量ではないが、
「あああっ……!」
慌てて瓶をテーブルの上に置き、とっさにおしぼりでテーブルの上をぬぐった。
「もうっ、変なこと言うから~!」