ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
(本当にこのままでは脱がされてしまう!)
脱がされるのもはずがしいが、自分で脱ぐ方がおそらくマシだ。
そう思った葵は、慌てて浴衣の前を掻き合わせて、一歩下がる。
「わ、わかったから、自分で脱ぐから、後ろ向いて!」
「そう?」
蒼佑は苦笑して、くるりと後ろを向き、
「じゃあ俺が先に脱ぐから、後からおいで」
と、さらりと言い放つと、茶羽織も浴衣もするすると脱いでいった。
「っ……!!!」
たくましい裸の背中が目に入った瞬間、葵も回れ右をして、両手で顔を覆う。
衣擦れの音がして、それからがらりとガラス戸を開けて出て行く気配がした。
葵は両手を顔から外し、ゆっくりと十秒数えて、外を見るが、蒼佑の姿はなった。
「……行ったわね……ふぅ……」
何度も深呼吸を繰り返した後、葵は後ろでひとつにまとめていた髪を、高い位置で結び直し、茶羽織を脱ぎ、下着を脱ぎ、それから浴衣を脱いでカゴにいれると、体にバスタオルを巻きつけた。