ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~

 それを聞いて、蒼佑はぴたりと動きを止める。

「いやなら、やめる……?」

 その眼差しは濡れて、キラキラと輝いていた。
 だが、蒼佑のことだ。やめろといえば、それを受け入れてくれるだろう。

(でも、やめる……? これを……?)

「や、やめないで……」

 いやなのは、どんどん変わっていく自分だ。蒼佑に自分も知らないスイッチを押されているような気がする、未知の感覚に対する、ほんの少しの、恐怖だ。
 そう、口にした瞬間、葵は蒼佑にひれ伏し、身をゆだねるしかないのだと、ようやく理解した。

「だったら、俺の指は気持ちいい?」

 こくこくとうなずくと、蒼佑はかすかに笑って、葵の濡れた額にキスをする。

「よかった。君の、嫌がることはしたくないから……」

 それは、結局、葵から承諾をとった風にして、どんどんと囲い込んでいくという、蒼佑の慎重な性格からくる強引さでもあるのだが、葵は当然、気づくはずもない。

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