ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「ごめんなさい……」
葵はナツメに謝りつつ、部屋に荷物を置いて、手を洗いキッチンへと向かう。
「なに作るの?」
「ナツメ特製生姜焼き~」
ナツメの作る生姜焼きは、生姜と一緒に玉ねぎもたっぷりすりおろして作る。母の味だった。葵も自分で作ることがあるが、同じ母の味なのに、ナツメが作る方がずっと美味しいと思う。
「じゃあ、私がお味噌汁作るね。わかめとお豆腐でいいかな」
「うん、よろしく」
フープロにポンポンと玉ねぎを放り込むナツメの横で、葵も冷蔵庫からお豆腐を取り出す。
「ねぇ、葵ちゃん。天野さんと、うまくいってるんだよね?」
「えっ?」
突然何を言い出すのかと、葵は手が止まる。
「あ、ごめん。別に変な意味じゃなくて。まぁ、ごはん食べに来るくらいだから、うまくいってるよね……ずっと一緒にいたんだし」
蒼佑との交際で、なにか気になることがあるのだろうか。
「なっちゃん……?」
葵はじっと、弟の顔を見つめる。だがナツメはその視線を受けて、くるりと表情を変えた。