ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「しばらく仕事が忙しいから、会えないのが辛いな」
葵に付き合って一週間も仕事を休んだせいで、蒼佑の仕事はたまりにたまりまくっているらしい。葵も寂しいが、半分は自分のせいだ。仕方ないと思いながらうなずく。
「海外出張もあるんでしょう?」
「うん……まぁ、あるな……はぁ」
蒼佑は何度もため息をつきながら、じっと葵の目を見つめる。
色気のない街灯の明かりの下でも、彼は十分魅力的だった。
「そ、そんなに見なくても……」
蒼佑は自分が超ウルトラ美形だということを忘れている気がする。葵は照れて目を逸らそうとしたのだが、
「目に焼き付けておきたいんだよ」
と、両手で頬を挟まれて、結局蒼佑と無理やり向き合わされてしまった。
(まったくもう……)
葵は溜息をつきながらも、上目遣いで蒼佑を見あげる。
「体には気を付けて。ちゃんと睡眠はとって、ご飯も食べて……それと……」
つい、母親のような口をきいてしまい、蒼佑がクスッと笑った。
「ありがとう。気を付けるよ。おやすみ、葵」
「うん……おやすみなさい、蒼佑さん」
葵がマンションに入るまで見ていると言うので、そのまま後ろ髪を引かれつつ、葵は何度も振り返りながら、蒼佑に手を振ったのだった。