ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
もしかして、南条からなにか聞いたのだろうかと、心臓がドキドキし始める。だが蒼佑の反応はいつも通りだった。
『早く会いたい』とか『あと二日の辛抱だ』とか、甘い言葉をささやいて、名残惜しそうに電話を切った。
「ふう……」
葵は目を閉じる。そう、あと二日だ。あと二日で、彼に会える――。
翌日、葵は若干ビクビクしながら仕事を終えた。またりか子がやってきたらと思うと、ヒヤヒヤだったが、そんなことはなかった。
それに、今朝蒼佑からメールが来ていたのだ。明日の夕方帰国して、本社で会議を終えた後、葵の家に来ると言う。
(明日……うん、明日ね)
やっと蒼佑に会える。そう思うと、心が弾んだ。りか子とのやりとりの衝撃も、多少薄れたように思う。
葵は明日も仕事だった。今日の内に買いだしをしておこうと、スーパーに寄って、あれこれと食材を買い込んで帰宅した。きっとごく普通の日本食が食べたいと思うはずだと、腕によりをかけて作るつもりだった。
だが一方、その日の夜、ナツメは珍しく遅く帰ってきた。渋い表情をして帰ってきたナツメに、台所で明日の献立を考えていた葵は首をかしげる。