ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
「――えっ?」
「もう、昔の王子様みたいな蒼佑さんじゃなくても、いいから……ため込まれるより、都度なんでも言ってくれたほうがいい。もちろん私だって、言いたいことは言うし、お互い譲れない部分があるなら、さらに話し合ってお互い妥協点を見つけるしかないけど……」
葵は蒼佑の髪を指で触れながら、優しく頭のてっぺんにキスを落とす。
「たぶん私、感情表現が下手で、蒼佑さんを不安にさせてるのよね……?」
「それは……いや、葵が悪いことなんてなにもない。俺が勝手に……」
「努力する」
「え?」
葵はふうっと息を吐いて、それから蒼佑の顔を両手で包み込み、上を向かせた。
「私だって、あなたのことが好きで、大事にしたいと思っているんだから……不安にさせないように、頑張ってみる……恥ずかしいけど……」
「葵……」
蒼佑の美しい瞳が、濡れたように輝く。
そしてほどけるように、柔らかい笑顔になった。
「で――。葵ちゃん、毎朝これを見せつけられる俺の気持ちは!?」
それから十日後――。朝一番で、ナツメの悲鳴がリビングルームに響き渡る。
その声を聞いて葵は苦笑いしながら、「ご、ごめんね……」と眉を下げるしかない。