ひざまずいて、愛を乞え~御曹司の一途な愛執~
だったらここで腹をくくるしかない。
逃げられないなら、いっそここで断ち切るのだ。
(そうよ。私は自分で自分の道を選ぶ……もう二度と、他人に人生を握られたりしたくない)
葵はギュッとこぶしを握って、自分を奮い立たせながら、口を開いた。
「私の事を愛してるって、いったいどういうつもり?」
葵の問いかけに、蒼佑は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに真剣な表情になって、
「言葉通りだ」
と、はっきりと答えた。
「恥を知れと言われても、君とやりなおしたいと思っている」
その言葉は真摯で、まっすぐで。
だからこそ葵は、また胸の奥がざわついた。
「賭けでもしてるとか?」
「え?」
「落ちぶれた元婚約者を落とせるかどうか、お友達と賭けたりしてるのかなって」
葵が笑みを作ると、蒼佑の表情にサッと影がよぎる。
傷つけようとして言ったわけではない。
葵は純粋に、そうとしか思えなかったのだ。